「昨年は失敗してもチャレンジャーという立場だったのでプレッシャーはありませんでした。先輩たちのような『勝って当たり前』という重圧との戦いも出てきますが、SGを獲るという大きな目標の前に積み重ねていかなければならない目標がたくさんある。まずは自分のできることをひとつひとつやるしかない、という思いです」
レースを離れれば、おやつにドライフルーツを食べ、豆柴カフェに行きたいと話す普通の女性。SG優勝という大舞台まで、内に秘めた闘志を今は静かに燃やし続けている。
【Profile】おおやま・ちひろ/1996年生まれ、福岡県出身。ボートレーサーだった母親の影響で選手を目指し、15年にボートレース福岡でデビュー。初の母娘選手ということもありデビュー当初から注目され、翌年5月には母と同じレースを走り初勝利。2019年にはボートレース蒲郡での「第33回レディースチャンピオン」でGI初勝利、同年の年間獲得賞金ランキングで女子1位となった
◆撮影/三浦雄司 取材・文/白石義行
※週刊ポスト2020年2月7日号