左古:関西の蒲焼は蒸さないから弾力があるんですよね。高知にいたころはそれが当たり前だったけど、今は蒸して柔らかくなって、余分な脂が抜けた関東風の蒲焼のほうが口に合います。
安倍:ぼくもそうです。父親が肉体労働をしていたので、母は精をつけさせないといけないと思っていたようですけど、食卓にはよく肉や鰻が並んでいました。山芋なども、たまにですが祖父が山から掘ってきたものをすりおろして食べていました。
●あべ・やろう/1963年、高知県生まれ。CM製作会社勤務を経て、2004年に『山本耳かき店』で漫画家デビュー。『ビッグコミックオリジナル』連載の『深夜食堂』は2009年にドラマ化、2010年に第55回小学館漫画賞一般向け部門、第39回日本漫画家協会賞大賞受賞。その他の著書に『生まれたときから下手くそ』『酒の友めしの友』など。
●さこ・ふみお/1960年、高知県生まれ。1986年に『YOKOHAMA BAY CITY BLUES』で漫画家デビュー。現在は文筆家・漫画家・編集者として幅広く活動。主な著書は『四万十食堂』(安倍夜郎氏との共著)、『コケを見に行こう!』『クセがつよい妖怪事典』などの他、企画・編集作品に漫画家・水木しげる氏の最後のインタビューをまとめた『ゲゲゲのゲーテ』がある。
※週刊ポスト2020年2月7日号