国内

宍戸錠さんはタフにユーモラスに生きた高田文夫のパイセン

高田氏がエースのジョーの思い出を語る

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、母校・日本大学芸術学部の先輩でもある俳優、宍戸錠さんとの思い出についてお送りする。

 * * *
 心の中の“昭和芸能史”の灯がまたひとつ消えた。「エースのジョー」宍戸錠、86歳で死去。たしか本棚のどこかにあったはずと探すと2冊、『シシド 小説・日活撮影所』が出てきたので久しぶりに読んだ。「上」にあたるのが新潮社から。「完結編」とあるのが角川書店からと別のものだった。1冊目を書いて筆が止まらなくなったのだろう。唐突に「(つづく)」と終わって、奥付をみると2001年から11年もたって2012年に続編の完結編が出ている。このあたりがこの人らしくて何か笑っちゃう。

 石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎の時代から、ついに61年『ろくでなし稼業』で初の主演を勝ちとり走りぬけること10年、1971年に日活がロマンポルノを始めるまで「エースのジョー」としてひとさし指を一本、顔の前に立て「チッチッチッチ」と不敵に微笑んだ。

 エースのジョーは早撃ちのジョーでもあって、0.65秒は世界第3位だと知って、子供ごころにいたく興奮し、真似をして早撃ちにチャレンジしたがまったく駄目だった。0.65秒って誰が計ったんだろう。

 日大芸術学部の学生時代に日活が募集した第1期ニューフェイスに合格。口癖は「オレはチャンユーのパイセンだよ」。訳すと「俺は裕ちゃんの先輩だよ」ってことになる。ダンディでシャレっ気のある人だった。私のライブにもよく見にきてくれて、第一声が「高田は、あいかわらず下らねぇな」だった。そして必ずこう付け加えた。「オレは高田とチャンユーのパイセンだよ」日芸の大先輩と後輩なのだ。

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン