ライフ

迫る「フレイル検診」義務化 15項目の問診内容と有効な対策

「フレイル」にどう対処する?

 2020年4月から75歳以上を対象に、従来の健康診断に加えて「フレイル健診」が義務化される。フレイルとは「衰弱」を意味する言葉だが、一般にはまだ馴染みが薄い概念だ。しかし、フレイルを放置すると死亡率や認知症の発症リスクを増加させるなど、怖ろしい事態を引き起こす可能性がある。

 フレイルには、筋肉量の減少による「身体的フレイル」や、認知症やうつ病の発症リスクを高める「精神的フレイル」、独り暮らしで貧困や孤立に陥る「社会的フレイル」の3つの側面に分類される。

 では、フレイル健診ではどんなことを聞かれるのか。桜美林大老年学総合研究所所長の鈴木隆雄教授が説明する。

「例えば『半年以内に2~3kgの体重減少はあるか?』という質問があります。筋肉量が減少していないか、そもそも食事量が減っていないか、などの身体的フレイルの前兆を判定します。

 他には『半年前に比べ、たくあん・さきいかなどの固いものが食べにくくなったか?』の質問があります。これは顎の筋肉や、飲み込む力の衰え(嚥下障害)がないかを判定します。オーラルフレイルの早期発見に役立ち、誤嚥性肺炎の予防になります」

 ただし、フレイル健診には課題も多いという。東京都健康長寿医療センター研究所の研究部長・北村明彦氏が語る。

「15項目の問診を受けたとしても、担当医がフレイルに詳しくない場合、“形式的に問診しただけで結果が活かされない”可能性が残ります。15項目の問診結果は、ポイント制など客観的な判断基準も定められていない」

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン