仕事は、ただただお金のために働くべし、と説く。

■人は美人を好む一方で、ブスにも慣れる

──「容貌は女の人生を決める」とあるように、本格的に容姿に悩む女性には美容整形を薦める一方で、それ以外の方法があるとも仰っています。そもそも、美人が得をするような社会の現状に対してはどう思われますか?

藤森:根本的には是正できないと思っています。人間に美意識がある限り、美しいものを人は好みますから。現実を認めた上で自分ができることをやっていくしかない。でも本にも書いたように、人は美人を好む一方で、人はブスにも慣れます。それに、美しいかどうかは、持って生まれた顔の作りだけではなく、表情や仕草、着ているものなどが大きく関わってきますから、ブスにもやりようがあると思います。

 容姿に限らず、人間は平等ではありません。しかし、長いスパンで見ると、案外公平にできているものです。若いから、美人だからと、下駄をはかせられた人は、それなりの人生だし、腐らず生きてきた人にはそれなりの人生がある。最終的には死んでからしか分からないこともありますが、50年、60年と生きていると、その人なりの結果が出てくるものだと思います。

──仕事については、「自己実現とか生きがいとか、どうでもいい。ただただ労働すべし」と説きます。

藤森:仕事で自己実現できる能力の高い人は、そうすればいいのですが、そうでない人は、食べていくことが何より大事です。短大で教えていた時の教え子たちは、銀行などに一般職で入った子が多いんですね。一般職は名前も覚えてもらえないし、上司はどんどん変わっていく。結婚してやめていく人が多いですが、私は「しがみつきなさい」と言いました。いい大学を出ても、経済的自立ができなければ仕方ないんです。お金のために働けばいい。もちろんブラック企業からはすぐに退散したほうがいいですが、まともな職場を見つけるためには、自分で情報を得たり、調べたりする必要はありますね。

──「学び続けること」の必要性を一貫して説かれています。そのために有益な本が紹介されていて、「ブックガイド」としても役立ちます。

藤森:バカは仕方なくても、無知でいてはいけないと思います。何より自分が損をします。自分の経験は限られているから、人様の経験から学ぶしかないんです。今は、特殊清掃人など、普段出会えないような職業の本も出ていますし、漫画だってありますよね。毒親から逃げる方法とか、悲惨な話も面白く読ませてくれる、素晴らしい時代です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン