「サイゼリヤ」のメニューより
加えてこの冬の改定メニューではさらなるスターが誕生した。それも季節メニューではない。12月18日にグランドメニューに加わった(はずの)羊肉の串焼き「アロスティチーニ」(399円)だ。
一部店舗で発売されていたメニューを全国展開したところ、噂が噂を呼び、あっという間に品切れ店舗続出。12月下旬になっても「何軒か覗いたが、どこも品切れ」「もう諦めてピザ食ってる」など、悲しみにくれる声がSNS上には飛び交った。年が明けても、「今日こそは!」など人気は過熱するばかり。1月中旬までは本数限定でわずかながら販売されていたが、下旬に差し掛かったところで、各店舗に「販売一時休止」を知らせる紙が張り出された。
現在は、エリアごとに期間をずらしながら限定販売という形で復活しつつあるが、発売開始当初にニーズを小さく見積もりすぎた反省からか、今回は慎重を期す様子が伺える。2月12日(水)までは神奈川県、2月12日(水)~18日(火)には大阪府と福岡県、2月19日(水)~25日(火)は愛知県、少しずつエリアをずらしながら「おひとり様1食まで、シングルサイズのみの販売とさせていただきます」と多くの客に届けることを目指しているようだ。
視線の先にいるのは店に来てくれる顧客のみ。そんな姿勢がサイゼリヤの施策からは伺える。結果、企業としては水準以上の利益を叩き出し、店はいつも賑わっている。ビジネスマンのランチやママ友のお茶会は触れるまでもない。部活帰りの高校生もミラノ風ドリアで腹を膨らませ、その隣の席では60代と思しきマダムたちがワインで楽しげに話に花を咲かせている。勝ち組にはいつも外野から野次が飛んでくる。そんな雑音をかき消すのは、いつもの顧客の支持に違いない。
