スポーツ

東京マラソン一般参加者出場取りやめ 五輪延期の可能性は?

東京マラソン2019でハート型の紙吹雪が舞う中スタートするランナーたち。今年はこのような光景は見られない(時事通信フォト)

東京マラソン2019でハート型の紙吹雪が舞う中スタートするランナーたち。今年はこのような光景は見られない(時事通信フォト)

 3月1日に開催予定の東京マラソンについて、一般参加者の出場をとりやめ、エリート選手のみで実施すると発表された。東京五輪の男子代表選考会を兼ねていたため、新型コロナウィルスの感染による肺炎(COVID-19)の感染拡大を受けてどのように対応するかに注目が集まっていた。この決定は「妥当な判断だと思います」と、スポーツライターの折山淑美氏はみている。

「市民ランナーが多く参加する東京マラソンは、参加者だけで4万人規模になります。沿道の応援もあわせると、さらに数万人プラスされる。そこにもし、新型コロナウィルスに感染した人がいたら、ウィルスを拡散させるだけです。3月8日に開催される女子の五輪代表選考会を兼ねた名古屋ウィメンズマラソンについても、同様の検討が始まっているのではないでしょうか」

 1月に新型コロナウィルスの感染による肺炎が発覚して以降、中国を中心に凄まじい勢いで世界中に広まり、影響は大きくなるばかりだ。日本でも2月27日から横浜で開催予定だったアジア最大のカメラ見本市「CP+2020」の中止が決定、予定していた新製品発表会や説明会を中止にした企業も出てきている。日本でも日に日に感染者数が増えており、週末に映画館へ行ったら、大ヒット中の映画だと聞いていたのに、思ったほど混んでいなかったという声も聞こえてきた。

 そうなると、心配されるのが7月開幕の東京五輪だ。東京マラソンの一般参加に第一回から応募し続けているライターの小野哲史氏は「中止というのは考えにくい」という。

「過去に五輪が中止になったのは1916年ベルリン五輪、大河ドラマ『いだてん』でも描かれた1940年東京五輪と同年の札幌冬季五輪、1944年ロンドン五輪と同年に予定していた冬季五輪です。いずれも第一次世界大戦、第二次世界大戦という戦争が原因です。新型コロナウィルスの問題は確かに深刻ですが、春にはおさまり対策方法も見つかると言われていますし、予定通り五輪は開催するでしょう」

 中止はまず無いだろうが、もし長引いたら五輪の延期はあるかもしれないという声もある。

「6月になっても新型コロナウィルスによる影響がおさまらないようなら、東京五輪の延期も現実的に検討される可能性があります。五輪は、多種多様な競技の試合を実施できる会場や、世界中から訪れる観客に対応出来るインフラ整備などを何年もかけて準備しなければならず、簡単に他の場所に変更できるものではありません。もし東京五輪について何かを変更するとしたら中止や開催地変更より、延期を検討すると思います」(前出・折山氏)

 もし東京五輪が延期になっても、準備はしっかりできているのだからと余裕で対応できる東京であってほしいが、果たしてどうなるか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン