芸能

上野樹里と吉高由里子が「週刊誌記者」を演じる不思議な符合

番組公式HPより

 偶然なのか時代がもたらす必然なのか、定かではないが、今クールのドラマでは、強く美しい女性の活躍が目立つ。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
「魅力的な、堂々とした、見事な、気前のよい、巧みな」。英語の「ハンサム」の意味を調べると、そんな言葉が出てきます。ハンサムはかつて主に男性に使われてきた言葉でしたが、今や「ハンサムウーマン」という言葉もしばしば耳にします。

 社会で活躍する女性が増えたこととも関係あるのかもしれませんし、NHK大河ドラマ『八重の桜』(2013年)で主人公・新島八重が男装して戦いに参加、夫から「ハンサム」と言われたことが広く知られてより一般化したのかもしれません。

 そう、“ハンサムな女性”とは美しくかつ堂々として強さや勇気を持つ人のこと。今期のドラマの中に、まさに惚れ惚れするような「ハンサムウーマン」がいます。その筆頭が『テセウスの船』(TBS系日曜午後9時)で由紀役を熱演している上野樹里さん。

『テセウスの船』の物語は……主人公・田村心(竹内涼真)が、過去と現在をタイムスリップしつつ、殺人事件の犯人にされた父の無実を証明しようと格闘するミステリー。冒頭、主人公の妻・由紀という役柄で登場した上野さんは、心がタイムスリップして過去から戻ってくると、今度は真実を追究する週刊誌記者として再登場。主人公を支え励ましていく。一人二役とトリッキーな物語設定ですが、上野さんの説得力ある演技で不自然さを感じさせません。

 毅然としたその態度、凜とした目つき、揺らがぬ信念と強さ。とにかく上野さんの顔つきが清々しくて格好よくて思わず見とれてしまったのが、第4話終わりのシーンです。事件の被害者の会合で、記者・由紀は壇上に駆け上る。

「事件の真実を追究すべき」「今犯人とされている男は濡れ衣をかけられているかもしれない」「もしまだ語っていないことがある人はぜひ口を開いて欲しい」と熱く説く。聴衆から水をかけられても動じず、しっかりとマイクを握りしめ、一つ一つ丁寧に言葉を紡ぎ出す力強さには泣けた。目を奪われてしまった視聴者も少なくないはずです。

 第5話でもそうでした。心が折れそうになる主人公に対して「私は諦めません」と力強く励まし包み込む。「ハンサムウーマン」度がぐーんとうなぎ登りです。

 もちろん、由紀を演じる上野さん自身の演技が素晴らしいことは言うまでもないのですが、彼女の「ハンサム度」がこれほどまでに引き出された要因として、主役・竹内さんの集中力と真に迫る演技力も見逃せない。目を潤ませてギリギリの瀬戸際に立つ人物を熱演する竹内さん。「どうしても冤罪の父を助けたい」という切迫感が画面に溢れ、それに反応して上野さんも揺さぶられ互いに影響しあう。まさに二人の役者の往復運動が見所です。

 人間が演じるからこそドラマは面白い。一人の言葉が相手に影響を与え相手を変え、それがまたブーメランのように戻っていく。このドラマは芝居の持つ醍醐味を見せてくれています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

昨年7月に遺体で発見された女優・遠野なぎこ(右・ブログより)
遠野なぎこさん(享年45)が孤独死した自宅マンションの一室に作業服の「特殊清掃」が…内装一新で「新たな入居者の募集へ」
NEWSポストセブン
11の宗教団体に緊急アンケートを実施(創価学会/時事通信フォト)
《11大宗教団体緊急アンケート》高市政権と「中道」の評価は? 長年のライバル関係ながら新党を支援する側に立つ創価学会と立正佼成会はどうするのか
週刊ポスト
書類送検されたことが報じられら米倉涼子
米倉涼子、近く表舞台に復帰へ…麻薬取締法違反の容疑で書類送検も「一区切りついたと認識」で進む映画の完成披露試写会の最終調整 メディアの質問はNGに
NEWSポストセブン
茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された事件で1月21日、元交際相手の大内拓実容疑者(28)が逮捕された
“ストーカー魔”大内拓実容疑者の事件当日の足どりを取材 ツーリング仲間の母親は「悪い子じゃない」「友達だったことは間違いないですが…」 《水戸市・ネイリスト女性刺殺》
NEWSポストセブン
年頭視閲式に出席された皇后雅子さま(2026年1月23日、撮影/JMPA)
《品位と品格を感じる》雅子さま、10年前にもお召しになったロングコートでご出席 皇宮警察へのお気持ちが感じられる天皇ご一家の青系リンクコーデ
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「自宅で運動する」オフシーズンとは
《真美子さんのヘルシーな筋肉美》大谷翔平夫妻がリフレッシュする「自宅で運動する」オフシーズン…27万円の“肩出しドレス”を晩餐会に選んだ「別人級の変貌」
NEWSポストセブン
「憲法改正」議論も今後進むか(高市早苗・首相/時事通信フォト)
《改憲勢力で3分の2超の予測も》総選挙後・政界大再編のカギとなる「憲法改正」 “安倍政権でさえ改憲原案提出なし”というハードルの高さ 高市首相に問われる決意と覚悟
週刊ポスト
イギリス出身のお騒がせインフルエンサー、ボニー・ブルー(TikTokより)
《歩いて帰れるかどうか不安》金髪美女インフルエンサー(26)が“12時間で1057人と関係を持つ”自己ベスト更新企画を延期した背景
NEWSポストセブン
中道から秋波を送られている石破茂・前首相(時事通信フォト)
《本人は否定しても、高まる期待》石破茂・前首相に中道との合流を後押しする人たちの声「これまでの野党にない必死さがある」「高市政権の暴走を止める決断を」
週刊ポスト
年越しはイスタンブールで過ごした渚さん(Instagramより)
「生きてみるのも悪くない、とほんの少し思えた」 渡邊渚さんが綴る「年越しを過ごしたイスタンブールの旅」
NEWSポストセブン
Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』にて細木数子さん役を演じる戸田恵梨香(時事通信フォト)
《出産から約3年》女優・戸田恵梨香の本格復帰が夫婦にとって“絶妙なタイミング”だった理由…夫・松坂桃李は「大河クランクイン」を控えて
NEWSポストセブン
宮崎あおいと岡田准一の円満な夫婦仲(時事通信)
《女優・宮崎あおいと4児の子育て》岡田准一「週6ジム通い」の柔術ライフを可能にする“夫婦円満”の秘訣
NEWSポストセブン