安倍氏の「誇張」「フェイク」「大風呂敷」語録
“絶体絶命”かと思われた首相を救ったのは加計学園側だった。「実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、誤った情報を伝えてしまった」と担当者が証言をひっくり返したのだ。
このように首相の発言に合わせて下が自分の発言を変えるという構図が現在の「検事長の定年延長」や「桜を見る会」問題につながっている。
しかし、官僚機構が嘘をつくことに麻痺してしまうと、総理大臣に裏付けの不確かな情報がどんどんあげられ、不正確な情報をもとに国が運営されるようになる。
今年1月の施政方針演説にその弊害が見られる。安倍首相は演説で、「東京から一番遠いまち」とも呼ばれる島根県江津市に東京から移住し、地方創生交付金を利用してパクチー栽培に取り組んだ若者を地方創生の成功例として実名で紹介し、「『地方にこそ、チャンスがある』。そう考え、地方に飛び込む若者を、力強く応援してまいります」と訴えた。
ところが、その若者は昨年末に江津市から転居していたことが判明した。
施政方針は総理大臣が今年1年間の国の針路、重点政策を国民に伝える重要な演説で、各省からあげられた情報や政策を秘書官たちが吟味してスピーチライターが原稿にまとめる。その過程で基本的な情報のチェックが行なわれていなかったために、実名で紹介された若者は名誉を傷つけられることになった。