国内

アルバイト中にひき逃げ逮捕された天理教幹部の意外な窮状

天理教の信者数は120万人(時事通信フォト)

 事件は“バイト中”に起こった。警視庁は2月28日、東京都葛飾区の路上で男性をひき逃げして死亡させた疑いで、同区に住む清康雄容疑者(58)を逮捕した。メディアは清容疑者の肩書きを「宗教団体幹部」と報じ、事件発生時は「アルバイト」の最中だったと伝えた。宗教団体関係者に取材を進めると、都内在住のある天理教信者がこう証言した。

「彼は葛飾区にある天理教の教会長です。レンタカー店でアルバイト中で、運転業務中にひき逃げをしてしまったらしい」

 ひき逃げという犯罪の悪質さもさることながら、気になるのは「なぜ天理教の幹部ともあろう人物がアルバイトを?」という点だ。奈良県天理市にある教会本部に問い合わせると、容疑者が教団の教会長だったことを認めた上でこう話した。

「天理教の教会は独立経営で、本部から給与が出るわけではありません。基本的に信者さんからの『お供え』を収入としていますが、教会外の仕事をしている教会長も多数います」(広報担当者)

 前出の信者が窮状を明かす。

「本部にお供えを出しながらバイトをかけ持ちし、疲弊しつつ何とか生活している教会長も全然珍しくありません」

 清容疑者の自宅を訪ねると、古い一般民家のような建物に教会の看板が。近隣住民に聞くと「常に多くの人で賑わっているわけでもなく、お金のある感じではない」と印象を話した。

 清容疑者は容疑を否認しているが、前出の広報担当者は「人として許されないことで残念」と語った。「宗教はカネになる」ともいわれるが、その対極にある事件だった。

※週刊ポスト2020年3月20日号

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