投球フォームの美しさは球界屈指
「個人的には、そこまで『投手陣をまとめよう』という意識は強くありません。実はそこまで年齢差を実感しているわけではないので……(笑い)。もっと自然な感じで、何か気づいたことがあれば彼らにアドバイスを送るし、逆に僕から彼らに質問することもあるし」
本人はそう謙遜するが、チームの若きエース千賀は、次のように和田の存在の大きさを語っている。
「昨年、和田さんの復帰をチームで一番喜んだのは僕だと思います。昨年は先発陣にケガ人が多く、その中で『自分が引っ張らなきゃ』という思いが強かった。正直、しんどい場面もあって……そんなことを相談できるのは、和田さんしかいないですからね。帰って来てくれて嬉しかったです」
和田は今年2月に書籍『だから僕は練習する――天才たちに近づくための挑戦』(ダイヤモンド社刊)を上梓した。練習をテーマに、野球選手としての哲学をまとめた一冊。その中に次のような一節がある。
「自分が『コントロールできること』と、『コントロールできないこと』を明確にして、前者に集中する」
「肉体的な老いは誰にでも訪れる。自分ではコントロールできないもの。ただ、その下り坂をなだらかにする方法はあると思う。確かに若い頃に比べて、例えばダッシュするスピードは遅くなっているかもしれない。回復力も衰えている。でも、練習量は若手たちに引けを取らないはずです。そこは、自分の努力次第ですから」