四ツ谷「すし匠」時代に中澤親方が考案した「鮟肝の奈良漬け小西瓜のせ」は定番。鮟肝、奈良漬け、赤シャリの絶妙なハーモニーがたまらない。
脂ののった北海道産サクラマスの身を昆布でしめ、皮に燻製の香りをつけた高橋さんのオリジナル。赤シャリとの一体感が絶妙だ。
大トロと中トロの間の「霜降り」の握り。勝浦の本マグロを1週間ねかせたもの。シャリには赤酢を合わせる。
鯛の子ども「春子」の握り。あっさりとした甘味が特徴。卵の黄身と酢を火にかけておぼろにしたものをネタにまぶしている。
「旭水産」で仕入れた子持ちヤリイカに温めた出汁をかけて余熱だけでボイルしたもの。完全に熱を入れず卵のしっとり感を出した。
つまみと握りが交互に出た後、お勧めの握り、お好みの握りへと移行していく。わずか8席からなるカウンターは2部制で予約は必須。約2時間半の饗宴がまたたくまに過ぎていく。
●匠 進吾
東京都港区南青山2-2-15ウィン青山1F
営業時間:18時~23時(最終入店)
定休日:水
予算2万5000円~
※要予約
■撮影/太田真三
※週刊ポスト2020年3月20日号