国内

中学受験 お嬢様学校の神奈川御三家が人気を落とした要因

「ブランド校志向」が薄れてきたのか(写真はイメージ)

「ブランド校志向」が薄れてきたのか(写真はイメージ)

 今年行われた首都圏の私立中学受験の動向を探ってみると、お嬢様学校として名高い「フェリス女学院」「横浜共立学園」「横浜雙葉」の“神奈川女子御三家”がおしなべて人気を落としたという。一体なぜなのか。安田教育研究所代表の安田理氏が、他の難関校の状況も含めて分析する。

 * * *
 2020年度の首都圏中学入試は、小学校卒業生が3000人以上増えていることもあり、受験者数は前年より2000名程度増加している。

 どのくらいの人が中学受験をしているかという数字は、じつは公的な機関はどこも出していないが、東京都教育委員会は小学6年生がどのような学校種(公立、国立、私立、公立中高一貫校)に進学したかという数字を、毎年12月ごろに公表している。

 そこで、それらのデータや大規模な模試を行っている会社の推定値などを基に、地域別の受験者数を対前年比で見てみると、東京23区/109%、多摩/105%、神奈川/101%、千葉/104%、埼玉/109%──と、東京23区と埼玉が特に増えたことがわかる。

 それに対して、神奈川はほとんど増えていない。基となっている数字は各都県に所在する各学校の受験者数からの推定であるから、埼玉の増加には東京、神奈川から埼玉の学校を受験した人数が増えたことも含まれている。同様に、神奈川県内の受験生で都内を志向した人数も増えたと思われる。

 まずは、今回のテーマの背景にはこうした全体状況があることも押さえておきたい。

◆時代の先を睨んでいるかどうか

 2020年度入試で比較的はっきりした動向のひとつが、神奈川のお嬢様学校、いわゆる“横浜山手御三家”の応募者数が揃って減ってしまったことだ。

【フェリス女学院】(受験日)2月1日/(受験者数)前年441名→今年405名
【横浜共立学園】(受験日A)2月1日/(受験者数)323名→355名、(受験日B)2月3日/(受験者数)670名→446名
【横浜雙葉】(受験日)2月1日/(受験者数)207名→171名

 横浜共立学園のAこそ増えているが、全体にはかなりの減少である。神奈川でこのレベルの女子校となると、他には洗足学園が挙げられるが、こちらは第1回(2月1日)/前年322名→今年375名、第2回(2月2日)/654名→740名 第3回(2月5日)/494名→588名、と各回とも大幅増となった。

 そこで受験生の保護者視点から、神奈川女子御三家の学校でなく洗足学園を選ぶ理由を考えてみた。

関連記事

トピックス

参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
《実は既婚者》参政党・さや氏、“スカートのサンタ服”で22歳年上の音楽家と開催したコンサートに男性ファン「あれは公開イチャイチャだったのか…」【本名・塩入清香と発表】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
皇室に関する悪質なショート動画が拡散 悠仁さまについての陰謀論、佳子さまのAI生成動画…相次ぐデマ投稿 宮内庁は新たな広報室長を起用し、毅然とした対応へ
女性セブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト
「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン