丁と同居している父親は地元テレビ局に、「他の住民も違法な構造物を建てていたので、何も悪いことをしたとは思わなかった」と語っている。一方、深セン市の地区委員会の職員は同テレビに「彼らはネズミのように、あくせくして穴を掘っていたが、私たちが訪問して、ようやく違法な掘削を止めるようになった」と強調。ただ、そのときには、丁のマンションの部屋には地下室が4部屋も完成していた。
中国ではこの30年来、不動産価格の高騰が続いており、居住面積を広げようと違法建築をめぐる騒動が絶えない。
北京市中心部の伝統的な四合院の一角の部屋を借りていた男は地下を約18メートルも掘り続けて、建物全体が陥没して崩壊してしまった例が報告されている。この男は、裁判で懲役5年の判決を受けている。
また、高層マンションの屋上に庭園を建造、あるいは寺院まで建設するなどの違法建築騒ぎが後を絶たない。やはり、北京では資産家の医師が26階建ての高層マンションの屋上に、6年間と80万元(約1360万円)をかけて、プール付きの庭園を建設したケースもあった。階下の住民はひどい水漏れに悩まされたという。明らかな違法建築で、結局、庭園は取り壊されたが、解体に7カ月かかったと報告されている。