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迷子の猫探し、SNSで情報発信はあまり意味なし 犬は効果的

地図で地形を確認し、実終えた場所を1か所1か所、塗りつぶしていく(撮影/大塚七恵)

 猫は年に2~3回ほど発情期を迎え、2~4月がピークとなる。この時季は、発情中のメスのフェロモンに誘われて、オスが追いかけるケースが多発し、結果、猫の失踪が増える。突然いなくなってしまった愛猫を捜し出すにはどうしたらいいのか。「ペット探偵」として猫の失踪解決率80%のペット捜索を専門に行う「ペットレスキュー」代表・藤原博史さんに犬と猫の捜し方の違いを聞いた。同社を立ち上げてから23年の間に、約3000件の依頼を引き受けてきた。

 藤原さんによれば、「猫はほとんどの場合、迷子となった場所から500mの範囲内にとどまっている」という。なので、SNSによる情報拡散はそれほど効果がない。

「500m程度の捜索範囲なら、むしろアナログな作業が有効です。情報提供を求めるチラシを、ご近所一軒一軒に投函して歩くのがいいでしょう。潜伏している可能性の高い地域に網をかぶせてしまう感覚です」(藤原さん・以下同)

 また、猫が好んで落ち着ける場所を把握しておくことも重要だ。

「猫は快適な環境を探し出すのが上手で、暗くて狭く、静かな場所に潜んでいることが多いです。また、身を守るため、外敵に遭遇しにくい場所に隠れ、逃走経路も確保しています」

 冬なら、寒さをしのげる室外機の上や、風よけがあって日の当たる場所。夏であれば、日差しが直射しない、風通しのいい塀の上などを選ぶ。そうした猫の習性を理解し、見て回るのがいいそうだ。

猫の習性を把握して探そう(イラスト/斉藤明子)

 ちなみに、猫と犬では捜し方が異なる。

「猫は“面”で捜し、犬は“線”で捜す──という言葉があります。猫は先述のように、行方不明になった場所を中心に捜します。対して犬は、行動範囲が広く、物音などに驚いて走り出してしまったら、数分で数kmも移動してしまいます。ですから、犬の捜索では近所だけを捜し歩いても効果が薄い。そこで、ツイッターなどで協力を要請するなど、SNSでの情報拡散が有効となります」

 また、行方不明になった動物の捜索を、アプリを通じて、不特定多数の人の手で行おうとする動きもある。

「アプリ監修を通じて私も参加している『ドコノコ』というサイトがあります。これを使って多くのかたに協力を求めると、発見率がグッと上がります」

 いずれにしても、ペットの習性を理解し、個々の状況に合わせて捜索をスタートさせるのが発見への近道だ。

※女性セブン2020年4月9日号

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