「船内の消毒業務などは防護服を着たうえで手袋を二重にし、防護服との隙間が生じないようにつなぎ目を粘着テープでふさぎました。さらに靴カバー、目にはゴーグルを着用しました」(防衛省・統合幕僚監部報道官室)
元陸自一佐で、イラク先遣隊長、福知山駐屯地司令などを歴任した佐藤正久・自民党参院議員が解説する。
「今回の新型コロナのようにヒトに感染するウイルスに対応する場合、自衛隊は必ず防護服を着用します。手袋をして顔も覆い、靴カバーを付けるフル装備です。任務が長時間にわたる場合は、さらにオムツを着用することもある。
防護服を脱ぐときは“外側”に触れないよう、2人一組で行ないます。一般的には、頭の部分から順番にお互いの防護服を外していき、最後にお互いの手袋を取るといった手順です。そこまで徹底しないと、感染を防ぐことはできません」
◆爪の根元を洗う
自衛隊の新型コロナ対応は防護服のような特殊な対策がメインではない。むしろ多くの場面で、一般の人もやっている基本対策の徹底を心がけた。ただし、その「やり方」が違うのだという。
「船内でのウイルス感染を避けるため、『手指で何かに触れたらすぐに消毒する』、飛沫によるウイルスの侵入を防ぐため『マスク着用時は鼻にあたる部分を押さえて隙間をなくす』などを徹底しました」(統合幕僚監部報道官室)
マスクは鼻まで付ける、ここまではいまや常識だが、そこで鼻回りの隙間をなくす一手間が「自衛隊式」だ。そうした配慮は洗濯にも見られる。