国内

首相や小池知事の「カタカナ語濫用」の根底にあるものは何か

評論家の呉智英氏

 東京都の小池百合子知事は、カタカナ語をよく使うことで知られている。イメージ戦略をともなう選挙では効果的だろうが、新型コロナウイルス対策のための記者会見で、老若男女、色々な人に言葉を届けるうえではどうだろうか。評論家の呉智英氏が、カタカナ語がやたら使われることの根底に何があるか、について考察する。

 * * *
 三月二十三日付朝日新聞夕刊の「素粒子」欄に、こうあった。

「カタカナ解説に戸惑う。オーバーシュート、ロックダウン、クラスターって、何だ。」

 全く同感だ。このうちクラスターだけは統計学や分子科学の用語でもあるので、これを使うのはやむをえないとして、あとの二つは何でこんなカタカナ語を使うのだろう。コロナ感染者の爆発的増加を表現する言葉が必要なら、オーバーシュート(度を越す)などと言わず「爆増」とでも造語すればいいではないか。ロックダウンも、これでは岩rockが落ちてくるみたいだ。錠lockを下ろすのだから「都市封鎖」でいいだろう。

 これらのカタカナ語を得意気に使ったのは小池百合子東京都知事と安倍晋三首相である。安倍首相はさらに二十七日の参院で、東京五輪を二年も長期延期すると「モメンタムが失われる」と発言している。各紙は「勢い」と説明を付けた。政治家はよほど英語が得意で、つい英語が口に出るらしい。

関連記事

トピックス

奥田瑛二
映画『かくしごと』で認知症の老人を演じた奥田瑛二、俳優としての覚悟を語る「羞恥心、プライドはゼロ。ただ自尊心だけは持っている」
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
日本テレビ(時事通信フォト)
TBS=グルメ フジ=笑い テレ朝=知的…土日戦略で王者・日テレは何を選んだのか
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
「滝沢歌舞伎」でも9人での海外公演は叶わなかった
Snow Man、弾丸日程で“バルセロナ極秘集結”舞台裏 9人の強い直談判に応えてスケジュール調整、「新しい自分たちを見せたい」という決意
女性セブン
亡くなったシャニさん(本人のSNSより)
《黒ずんだネックレスが…》ハマスに連れ去られた22歳女性、両親のもとに戻ってきた「遺品」が発する“無言のメッセージ”
NEWSポストセブン
主犯の十枝内容疑者(左)共犯の市ノ渡容疑者(SNSより)
【青森密閉殺人】「いつも泣いている」被害者呼び出し役の女性共犯者は昼夜問わず子供4人のために働くシングルマザー「主犯と愛人関係ではありません」友人が明かす涙と後悔の日々
NEWSポストセブン
不倫疑惑に巻き込まれた星野源(『GQ』HPより)とNHK林田アナ
《星野源と新垣結衣が生声否定》「ネカフェ生活」林田理沙アナが巻き込まれた“不倫疑惑”にNHKが沈黙を続ける理由 炎上翌日に行われた“聞き取り調査”
NEWSポストセブン
ハワイの別荘と合わせて、真美子夫人との愛の巣には約40億円を投資
【12億円新居購入】大谷翔平、“水原一平騒動”で予想外の引っ越し 日系コミュニティーと距離を置き“利便性より静けさ”を重視か
女性セブン