国内

飛田新地が全店休業決めた長い一日、「営業したら除名する!」

「営業したら除名」の厳命が下った飛田新地

 大阪・西成に残る色街「飛田新地」が4月3日から全店休業を実施し、街から灯りが消えた。緊急事態宣言の発令に先立ち“自主的ロックダウン”を決断するまでの苦悩や葛藤を、ノンフィクションライター・柳川悠二氏が追った。

 * * *
 安倍晋三首相による緊急事態宣言が間もなく発令されようとしていた4月7日午後4時、大阪市西成区は平時と変わらぬ時間が流れていた。

 地下鉄御堂筋線「動物園前駅」から続く飛田本通商店街は、激安スーパー「玉出」がパチンコ屋と見紛うほど派手な黄色い看板を掲げ、ホルモン屋から漂う脂身が焦げる匂いが鼻腔をくすぐる。

 まだ日が落ちる前だったが、男たちが小さなカウンターだけの店で酒をあおっていた。

 この地に近年急増した「一杯500円、一曲100円」の居酒屋カラオケ店の前に立つ初老男性が、女性スタッフと会話を交わす。

「コロナ、おるか?」
「おらんわ!」
「ほな、入るわ」

 飲食店はどこもそれなりに人で賑わい、“密閉・密集・密接”3密の宝庫であった。

 商店街を抜けて大門跡から東側に入った一帯が、街中の異境ともいえる「飛田新地」である。甲子園球場2つ分の広大なエリアに、古い木造2階建ての“料亭”がおよそ160店も軒を連ねる。

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン