托鉢のための街歩きは、かれらに関心をもって集まってくる人々に説法をおこなうよい機会にもなります。
修行者の食事は午前中にすませるのがきまりで、日に一度が原則でしたが、二度までは許されました。
食事が終わると、ブッダは弟子たちを相手に瞑想や日常生活にまつわるあらゆる細かい指導にあたります。ある者はブッダに瞑想のテーマをもらい、森や洞窟へと散ってゆきます。
ただ、寒林、つまり死体棄て場で死体や骨をまえにおこなう観察の瞑想、「不浄観」が最も重要視された修行だったことはいうまでもありません。
●平野純・著『怖い仏教』(小学館新書)を一部抜粋のうえ再構成