そして、「使わない」と答えた人の意見でもっとも多くを占めたのが、布マスク配布策を決めた安倍政権に対する強い“抗議”の意志表示だ。
「マスクに466億円もかけるのであれば、休業補償に回すべきと思う。あるいはマスクと一緒に10万円の小切手を入れるのはどうだろう。政府にはスピーディーで真に役立つ方策を考慮いただきたい」(63歳女性)
「マスクの予定経費は、一刻も早いワクチン開発や医療現場の機材充実などに使うべきだ」(64歳男性)
「これに私たちの血税を400億円以上も投入するとは。経済的な打撃を受けた人たちに対して申し訳なく思う。無策、無能の極みであり、人を馬鹿にするのにもほどがある」(50歳男性)
「配布されたマスクを使用することにより安倍政権の講じた政策に賛同したとみられたくないから」(40歳男性)
ジャーナリストの山田稔氏も、「国民は政府の思いつきのパフォーマンスや決断の遅さに呆れ、失望している」と指摘する。
「マスク配布への不満や批判は、30万円の給付金問題とセットで受け止めた国民の政府への失望を表していると思います。『給付金は全世帯に、マスクは希望者に』だったら、国民の反応も正反対だったでしょう。
アンケート調査でも明らかになったように、466億円もの巨額の税金を布製マスク配布に費やすのではなく、医療崩壊を食い止めるための医療支援策に充ててほしいというのが多くの国民の思い。今回のコロナ危機に際して政府が打ち出す政策、方針、行動はすべて決断が遅いばかりか、国民のニーズや感情、思いからあまりにもかけ離れていると思います」(山田氏)