ただし、初診の場合は注意点もある。実際にオンライン診療を行なう前出・谷本医師が言う。
「聴診や触診ができないため、病状を正確に把握できないケースがある。それを補うため、軽い症状でも、いつから、どの場所に、どの程度の強さ・頻度で生じているのか、吐き気や下痢といった随伴症状の有無などの細かい情報もできるだけ伝えてください。突然の強い痛みや呼吸困難があるなど重い症状の時はオンラインでなく、病院に行くべきです」
薬の受け取りや支払いは、電話診療と同じく郵送や電子決済で行なうケースが多い。
電話やオンラインでの診療が受けられない場合、処方箋なしで医療用医薬品を購入できる「零売薬局」を利用する手もある。
病院で処方される医療用医薬品は約1万5000種類とされるが、その半数近い約7300種類は処方箋がなくても零売薬局で購入できる。零売薬局のひとつ、銀座薬局代表の薬剤師・長澤育弘氏が指摘する。
「電話やオンラインで処方薬が受け取れない場合でも、市販薬より効き目が強い解熱剤や咳止め、痛み止めなどの薬を買うことができます。まだ全国的に店舗は多くありませんが、首都圏を中心に増えつつある。ただし、保険適用外で全額自己負担となります」
新型コロナを機に「処方薬は病院でもらうもの」という“常識”は過去のものになりそうだ。
※週刊ポスト2020年4月24日号