中野:その習慣は、学術的には「アテンションをかける」と言い換えられます。
逃げ道確保は、普段見過ごす場所を注意して眺めたり、空間全体に注意を払うということが必要になります。日頃からそのようなアテンションをかけていると、前頭前野が鍛えられますね。
●なかの・のぶこ/1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務後、帰国。現在、東日本国際大学教授。
●ささき・なるみ/1976年、岩手県生まれ。1995年埼玉県警察官拝命。埼玉県警察本部刑事部捜査第一課に10年間、刑事として従事。2017年の退職後は、一般社団法人スクールポリス理事を務め、中高生らが巻き込まれる犯罪を防止するための講演を行なうなど多方面で活躍中。
※週刊ポスト2020年4月24日号