一方、関東の老舗一家総長は、「我々遊び人にもらう資格はない。さんざん社会に迷惑をかけながら、都合が悪くなれば国にすがるのは筋が通らない。若い衆にもそう伝える」ときっぱり言う。

 さらにこの老舗一家は組員に給付金を辞退してもらうため、これまでプールしてきた資金を若い衆に支給することも検討中らしい。ただし、やはり強制的に受給禁止にはしないそうだ。

「自分の若い頃は、いつも金策に追われていた。それぞれに生活もある。致し方ないケースはあるだろう。ただ、もらうんだったら、その10倍は地域に尽くせと釘を刺す」

 暴力団の世界の常識は我々とはまったく違う。

●取材/文・鈴木智彦(フリーライター)

※週刊ポスト2020年5月8・15日号

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