◆『仏教の大意』鈴木大拙
《死ぬ時に死にます、生まれるときに生まれます。生まれて喜ばず、死んで悲しまず、晏然としています。(略)それ故、何の理屈もいわずに、そのままに何もかもを受け入れています》
禅を世界に広めた鈴木大拙(1870-1966)の『仏教の大意』(法藏館)、樹木さんが赤線を引いていた一説だ。死生観、人とのつながり、「世界人としての日本人」という意識を樹木さんは何度も読み返していたようだ。
※女性セブン2020年5月7・14日号
椎根和さんの著書『希林のコトダマ』(芸術新報社)