今年、現役合格者がもっとも多かったのは東海の48人だ。医学部現役合格者の割合(医学部現役合格者数÷卒業生数×100)を見ると、トップは44人合格で5位の「久留米大付設(福岡)」の21.7%だった。唯一の2割超えだ。昨年、中高一貫の女子が初卒業し、東京大合格者が増えたが、今年は医学部合格者が増えた。2位は灘の43人で19.5%、3位は北海道の「北嶺」で20人、16.5%だった。
北嶺は中高一貫の男子校で、寮もある。道内だけではなく全国から生徒が集まっている。卒業生は121人と少ないが、国公立大医学部だけでなく、東京大に17人(うち理IIIに2人)、北海道大に31人(うち医学部に5人)合格している。
10年前と比べてもっとも現役合格者が増えているのが、11位の北海道公立の「札幌南」で25人増だ。10年前は42人でうち現役が13人だったが、今年は51人中38人が現役だ。次いで日比谷の23人増。10年前は10人中1人だったが、今年は36人中24人が現役だ。
以下、久留米大付設の21人増、「豊島岡女子学園(東京)」の20人増、「渋谷教育学園幕張(千葉)」の19人増と続く。今の受験生は現役進学志向が強い。医学部でも現役合格者が増えている。浪人が当たり前だったのが、徐々に解消されてきているようだ。
いずれにせよ、コロナの影響が今後の医学部受験にどんな影響を与えるか、注目していきたい。
●文/安田賢治(大学通信常務取締役)