「いつも仕事のフリして私と会っていた彼も、今回ばかりは仕事を言い訳にできなくなったのか、1時間くらいの隙間を縫って会おうと言ってくるんです。でも時間もないから“ラブホで会おう”って。こんな時期にラブホに行こうという感覚も理解できないし、私の仕事もどうなるか見えない時にそんなにセックスだけがしたいのって呆れてしまいました」
彼の手洗いが雑なところも気になってしまうという。
「こんな無責任な人にうつされるのはイヤだし、彼の家族からの感染でうつるのはもっとイヤだと考えたら気持ちが冷めてきて、コロナを言い訳にしばらく会わないようにしています」
人には言えない不倫関係こそコロナ禍では脆くなる。一方で、20年にわたって不倫当事者の取材を続けるライターの亀山早苗氏はこう話す。
「3月上旬に新型コロナの状況が悪化したタイミングでは、不倫カップルの間で『衛生管理の価値観の違い』からの諍いが増えていました。
それが3月半ばを過ぎて状況がさらに深刻化し、企業がリモートワークに切り替えるようになってからは、そのストレスや先の見えない不安の逃げ道としてかえって不倫相手を求める動きが強まっているようです。ラブホテルの清掃が一番念入りだと思われる朝一番の時間帯に入ったり、ビジネスホテルがテレワーク向けに始めたデイユース(日帰り)を使って会うようになった、というカップルも出てきています」
※週刊ポスト2020年5月8・15日号