特急の停車駅を増やせば、途中駅から乗車する利用者もいる。そのため、利用者増に寄与する。スカイライナーの青砥駅停車にも、そうした思惑が透けて見える。
しかし、鉄道会社が、それを大々的に表明することも難しい。なぜなら、今般、鉄道各社にも密集・密着・密閉の3密を避けるような取り組みが求められているからだ。
鉄道会社も「感染拡大の防止に協力すべきだ!」「いくら経営が苦しいからといって、3密をつくる気なのか!?」と非難される可能性がある。そんな心配から、京成担当者が慎重な物言いになることは理解できなくもない。
スカイライナーが青砥駅に停車するようになっても、密集・密着は生じない。今般の状況を鑑みると、スカイライナーの利用者が劇的に増えることはない。
京成にとってエース特急ともいえるスカイライナーが金食い虫ともいえる存在になっている今、密にならない程度に乗車率を上げようと苦肉の策を講じるのは仕方がない話といえる。
「スカイライナーの青砥駅停車はあくまでも臨時的な措置であり、いつまで実施するのかは決まっていません。また、現行ダイヤは朝夕6本のスカイライナーが青砥駅に停車することになっていますが、青砥駅に停車のスカイライナーをこれ以上増やすことは検討していません。また、青砥駅以外に停車駅を増やすことも検討していません」(同)
鉄道会社は公共交通という社会的な使命を課されている。赤字だからといって、簡単には路線を廃止できない。列車の運行を完全に停止することも許されない。新型コロナウイルスで乗車率が限りなく0パーセントに近づき、空気輸送と揶揄されても列車を止めることはできないのだ。