芸能

シュールなドラマ『隕石家族』を支える2人の正統派美人女優

番組公式HPより

 ステイホームの状況、どうせならテレビ番組の中により多くの楽しみを見出していきたいところである。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏がレコメンドする。

 * * *
 コロナ感染拡大の影響で、4月開始のドラマの撮影が軒並みストップし、なかなか先のメドも立たないという危機の中。「オトナの土ドラ」シリーズ『隕石家族』(土曜午後11時40分フジテレビ系)が気を吐いています。すでに撮影は完了、予定通りに放送できている希有なケースとか。

 しかも、ドラマのテーマが奇しくも現在の危機と二重写しになっていることが、あまりにも不思議です。

 物語は……地球にむけて巨大隕石が接近し、半年で滅亡する運命という設定。羽田美智子演じる主婦・門倉久美子は自分もあと半年の命だと自覚したとたん、「私には好きな人がいます!」と高校時代の初恋の人のもとへ走り、「主婦を卒業する」と宣言。そうした久美子の過激な行動が、家族の関係を揺さぶっていく。夫の和彦(天野ひろゆき)はひどいマザコンでいまだに母・正子(松原智恵子)にどっぷりと依存しているが、その和彦もマザコンを脱却しようともがき……。

 何とも奇妙な舞台設定で一見すると笑いを誘うナンセンス・ドラマですが、「想定したこともない出来事が起こる」というのは、今や世界中の人が受け止めている現実。仏語「シュルレアリスム」略して「シュール」は、日本語で「超現実」と訳されますが、この作品はまさしくシュールなドラマと言えるでしょう。

 ドラマ世界の「シュールさ」をしっかりと支えているのが二人の正統派美人女優です。松原智恵子さんと羽田美智子さん。ともに文句なしのすらりとした美人で白い肌に目許涼しく鼻筋が通ってい美しい歯並び。恋愛ドラマならヒロイン、時代劇ならお姫様といった役どころをまずはイメージさせる二人。

 ご存じ松原さんは75才と大ベテランですが、その清楚で可憐な美しさは「日活三人娘」として人気を集めた頃から不変です。ところが……今回のドラマの中では、何と着物姿のままでヘルメットをかぶりバッティングセンターでバットを振り回す。それも涼しい顔で……実にシュールな絵です。

 一方、「主婦卒業」を家族に宣言し、とんでもない行動に走る久美子役・羽田さんも、くったくのない笑顔でハチャメチャに暴走していくあたり、超現実味を出しています。小松江里子氏のこの脚本は「限られた時間の中でいったいどう生きたいのか、生きるつもりか」を問いかけてきますが、「美形」「お姫様」「明眸皓歯(めいぼうこうし)」といった定型の殻を思い切り脱ぎ捨て羽を伸ばして自由になろうとする女優たちの意気込みが、ドラマの問いかけの一つの回答であり見所になっています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
優勝11回を果たした曙太郎さん(時事通信フォト)
故・曙太郎さん 史上初の外国出身横綱が角界を去った真相 「結婚で生じた後援会との亀裂」と「“高砂”襲名案への猛反対」
週刊ポスト
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン