ビジネス

念入り休業続ける旅館 収束見据えた宿泊プランの見直しも

いつもなら賑わっている湯布院温泉(大分)の町も閑散としている

いつもなら賑わっている湯布院温泉(大分)の町も閑散としている

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が39県で解除され、徐々に日常生活を取り戻そうという動きが広がりつつあるが、旅行などレジャーを思う存分楽しめる環境になるまでには、まだ時間がかかりそうだ。自粛期間中の休業等で大打撃を受けた宿泊業は、いまどんな状況に置かれているのか──。ホテル評論家の滝沢信秋氏がレポートする。

 * * *
 コロナショックが宿泊業に多大な影響を与え続けていることは、すでに多くのメディアで報道されている通りだ。リーマン・ショックや東日本大震災でも経験したことのない状況といえる。

 様々なホテルを取材していると、「それでも3月はお客さんがちらほら来ていたが4月はキャンセルの嵐だった」という声が大勢を占める。特に非常事態宣言による外出自粛がトドメを刺した。正確な統計は出揃わないが、4月~5月も惨憺たる状況であることは想像に難くない。

 深刻な状況が伝えられ始めた2月の時点では、春休みは諦めたとしてもゴールデンウィークに盛り返せるかが、宿泊業が生き残るためのメルクマールと言われていた。東京オリンピックの延期が決定となったことに加え、日々コロナの状況が悪化していく事態に絶望的なムードも漂い始めていたが、それでもゴールデンウィークは何とか営業にこぎ着けたいという事業者は多かったのである。

 しかし、緊急事態宣言で一変、特に全国の都道府県に及んだことで地方の観光地などの宿泊施設は多くが休業を余儀なくされた。

 移動自体が憚られる昨今、東京ナンバーの車で地方を走るだけで厳しい視線が向けられる中、例年東京からのゲストを当て込んでいる観光地や温泉地としては営業することそのものの意味合いが薄れたという声もあった。

 そもそも出掛けること自体が憚られる状態で、不要不急の外出を積極的・間接的に誘引することに対して、SNSをはじめとして利用者や同業者からも様々な意見や批判が寄せられた。それは感染の有無や防止といった次元の話ではなく、「皆が我慢して同調、協力している意味を理解しているのか」というものだ。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン