また、松嶋菜々子が演じた『家政婦のミタ』は、「かしこまりました」と幼稚園のお遊戯会を破壊するなど過激なまでに任務を遂行するミタの言動を通して見せた、逆説的な家族の物語だった。
家事のプロと家族の姿を通して、あらゆるドラマになりうる「家政婦ドラマ」。しかも、その要素を一話の中に全部入れ込むこともできる。新作ミタゾノの第二話のラーメン屋のエピソードでも、長年苦労を共にしてきたラーメン亭主夫婦のホームドラマ的な話かと思ったら、そのラーメンのトリックをミタゾノが暴露、それでもなんとかいい話に落ち着いた…と安心したのもつかの間、最後にまたもどんでん返し。油断も隙もない展開だが、それをコメディタッチにしれっとまとめてしまうところが、このドラマを成功させたポイントといえる。
ミタゾノの家事のコツ解説もおなじみだ。『私の家政夫ナギサさん』でもお掃除テクニックが紹介されるという。在宅時間が長い今日この頃、役に立つドラマとしても注目を集めることになりそうだ。