「また愛知か」「なんで愛知でこんな多いんだ」といった感想が書き込まれるのも定番だ。愛知でこうした例が続出していることについては愛知の県民性は関係ないと思うが、ここでまとめられているのが全員男というのは一体どういうことか。あと、最初の男性はさておき、なぜこいつらは感染していないのに「俺コロナ」と他人に言い、業務妨害をするのか? 多分バカなのだろう。

 とはいっても、優しい目線になった場合、他人とのコミュニケーションをもちたかったのかな、とも思う。そう考えるとこのまとめに登場するような状況についても各人が精神的に限界状態になったのでは、とも感じる。だからこそ、各地での外出自粛解除はこうした人たちを通常の精神状態に戻してくれることを期待している。

「俺コロナ」という言葉は3月からネット上では頻繁に使われるようになったが、名古屋が本社のCBCテレビの電子版では5月16日に「『俺コロナ』で逮捕、愛知県内で2件相次ぐ」の見出しをつけて報じており、「俺コロナ」がネットで人気のワードになっていることを見越してつけているのだろう。

「名古屋飛ばし」という言葉もあるように、愛知はあれだけ商業・製造業の一大拠点であるにもかかわらず全国的には注目度は低い。まさかの「俺コロナ」によりネットの一部で注目されるようになったのは気の毒である。

●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など

※週刊ポスト2020年6月5日号

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