国内

養老孟司氏、「将来の夢はYouTuber」の子供達に伝えたいこと

 このところ、世界中でグローバリズムの必要性が盛んに唱えられてきました。日本もその中にあります。でも今回のコロナのパンデミックは、グローバル化による人の移動も原因です。これまで推奨されてきたグローバリズムは縮小し、代わりにナショナリズムが台頭するかもしれない。いずれにせよ、この後の世界をどうするのか、考えなければなりません。

 しかし一口に「考える」といっても難しい。実際、教え子の大学生を見ていても、過剰なサービスや過干渉な親に慣れているせいか、自分で考えて動ける力を持っている人は少ない。

「考える」とは成熟することです。自分で考えられない大人を、成熟したとはいいません。考える力を磨く簡単な方法は、外に出ることです。

 コロナだから外に出たらだめだって? そんなことはありません。それこそ、どうやったら安全か。三密じゃない場所はどこか。帽子は、水筒は、着替えは…と想定して準備すればいい。それが「考える」ということです。

「なぜ外に出てはいけないのか」と問い直すことも、「考える」ことかもしれません。

 考えながら外に出れば、まず体が反応するはずです。そもそも、ぼくらは「意識」を信頼しすぎているんです。自分の意識が体を動かしている、と思っているかもしれませんが、そんなことはありません。人間の場合、意識は本来、外の世界に対応するためにあるものです。

 自分の体は自然の一部なんですね。たとえば朝起きる。自分の意識が目覚めさせていますか? そうではなく、体が起きるから意識が戻るのです。眠るのもそう。意識して眠ることはできません。私たちは体という自然に従って生きているにすぎない。

 言い方を変えれば、人間は、自分の体すら意識でコントロールできない、ということです。それなのに、すべてをコントロールできると自惚れているから、地球温暖化や公害問題も起きてくる。今回のコロナは、人間には自然をコントロールすることはできない、という教訓でもある。思い通りにいかないことがあったとき、人間は「努力・辛抱・根性」の方法を学びます。

 もし私たちがそのことを学ばなかったら、コロナはただの災害になってしまう。おかしな言い回しだが、ぼくは「コロナがあってよかったね」と思えるような社会になることを望んでいます。

※女性セブン2020年6月4日号

関連記事

トピックス

NHK桑子真帆アナの魅力とは(写真/ロケットパンチ)
NHK桑子真帆アナ、どの番組でも一貫する信念「わからないことは『わからない』と言う」
週刊ポスト
弘中綾香アナ(2019年)
弘中綾香アナ 電撃婚の「資産15億円社長」と育んだ「マンション同フロア恋愛」
NEWSポストセブン
オールジャンルで活躍中、津田健次郎 転機となった朝ドラ『エール』での出会い
オールジャンルで活躍中、津田健次郎 転機となった朝ドラ『エール』での出会い
女性セブン
両陛下のファッションはイタリアの新聞社から絶賛された(GettyImages)
エリザベス女王国葬、弔意を届けた「喪服姿のトップレディたち」その注目ファッション
女性セブン
日本を明るく照らしたアントニオ猪木さん
アントニオ猪木さんが「サライを熱唱」し「超能力を披露」した六本木の夜
NEWSポストセブン
エリザベス女王(写真/GettyImages)
晩年のエリザベス女王「お元気ですか」の質問に笑顔で返したユーモア溢れる答え
女性セブン
好きな女性アナで3連覇を果たしたテレビ朝日の弘中綾香アナ(写真/ロケットパンチ)
弘中綾香アナ、結婚相手は同い年のベンチャー企業社長だった「資産約15億円」「小栗旬似のイケメン」
NEWSポストセブン
熱愛が発覚した玄理と町田啓太
町田啓太と女優・玄理の交際、ファンをモヤつかせていた「お揃いルック」の数々
NEWSポストセブン
渡辺達生氏が撮影した三遊亭円楽さんの寿影
逝去の三遊亭円楽さん、4年前に撮影していた「遺影」ならぬ「寿影」
NEWSポストセブン
逆風だらけの国葬に安倍昭恵さん放心状態 地元山口での「県民葬」も新たな火種に
逆風だらけの国葬に安倍昭恵さん放心状態 地元山口での「県民葬」も新たな火種に
女性セブン
イギリスではつつがなくお務めを果たされた(9月、イギリス・ロンドン。写真/共同通信社)
雅子さま、異例のエリザベス女王国葬参列 訪英実現しなかった紀子さまの複雑な思い
女性セブン
渡辺社長が乗ったベントレー(SNSで拡散されている動画より)
《てめぇ、なに曲がってきたんだよ》ベントレーで逆ギレ交通事故の老舗和菓子「船橋屋」社長、職人8割辞めた強引経営の過去
NEWSポストセブン