麻布高校は自主性を重んじる校風で知られる

〈英国の生んだ偉大な科学者アイザック・ニュートンは、学生時代にペストの流行で大学が閉鎖となり、ロンドンから離れた郊外でゆとりある思索のなかで万有引力の法則を発見したと言われています。諸君に与えられたこの時間をぜひ有意義に過ごしてほしいと思います〉(麻布のHPに掲載された「生徒諸君へ」より)

 校長のメッセージを受け、生徒は様々な活動に取り組んだようだ。同高校3年の洪克樹さんは「麻布生によるビジネスプラン大会」を自ら企画し、オンラインで開催したという。

「僕は今年4月下旬、世界で起業学習プログラムを提供する『DECA』のビジネスプラン世界大会に日本代表として出場するはずでした。新型コロナ感染拡大で大会は中止になりましたが、世の中の問題を解決するビジネスを考えた経験は、とてもためになりました。僕以外の麻布生でもできるのではと思い、校内でビジネスプラン大会を企画したんです」

 参加学生の募集やチーム分け、ビジネスプランの作成、起業家や会計士による審査まで、すべての過程はオンラインで行なわれた。

 5月2日の本大会に参加したのは高校生13人と中学生1人。最優秀賞は発起人である洪さんのチームだった。

「新型コロナでは靴にも注意すべきというアメリカの研究を踏まえ、紫外線によって靴を殺菌・消臭・乾燥する箱形の機械を開発し、ホテルにレンタル・販売するビジネスプランを立てました。開発費や人件費などのコストを踏まえ、5年後の利益まで計算しています。多くの日本のビジネスコンテストは商品ベースで買ってもらうことを考えますが、『DECA』は社会問題からビジネスを考えるという発想が特徴的です」(洪さん)

◆「オンライン文化祭」の準備

 灘中・高では、5月2~3日に予定されていた伝統の文化祭が中止となった。

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