「取材対象者が読後にどう思うのかは意識しないようにしています。もちろん気にはなりますが、そこには左右されたくない。この本を出した時も、送って2日後ぐらいに学校へ挨拶に行きました。正直、恐くて、緊張します。でもそれがないと書く意味がないと思います。相手に喜ばれるだけの作品は書きたくないです」

 本格的な取材が始まったのは、甲子園が終わった直後の秋。最初は控えの選手など周辺取材にとどまり、ナインの3年生にはなかなか接触できなかった。

「中泉監督に手紙を書き、電話を掛けましたが、全然出てくれなかった。毎日1回ずつ掛けていたら、2週間後くらいに電話をくれたんです。3年生に会えたのは3回目に秋田に行った時。取材には3人1組で応じ、最初の1組目に吉田が出て来ました。普通、こちらが質問するまで黙っているじゃないですか? でも3人は勝手にべらべらと話し出した。こんなに面白い奴らだったのかって。その魅力に恋に落ちました」

 3人へのインタビューは本書の冒頭に収録され、吉田は自らのチームを〈凶悪な集団〉と表現する。バットをぶん投げる、相手チームの声をつぶすほどの野次、眉毛を剃る……。次々と飛び出すエピソードは、甲子園で輝くイメージをぶち壊すような、荒っぽい集団にも感じられたが、蓋を開けてみれば、人懐っこい純な子供たちだった。

「挨拶だけはきちんとしていましたが、取材はめんどくさそうでした(笑い)。冒頭から『何時に終わるんですか?』っていう選手もいたりして。でも何だかんだ言って話すし、食堂へカレーを食べに連れて行ってくれたり。『凶悪』と言う割に恐い印象は全然なかった。逆にかわいい奴らだなと」

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