国内

テンピン麻雀解禁記念!? 検察庁前麻雀大会「黒川杯」ルポ

ソーシャルディスタンスが必要な「密」な黒川杯会場

 東京高検の黒川弘務前検事長の賭け麻雀問題を皮肉り、SNS上で企画された「第1回テンピン麻雀大会『黒川杯』」。“会場”となった検察庁前は大混乱に陥ったという。取材したライターの清義明氏がリポートする。

 * * *
 新型コロナウイルスによる自粛要請のなか、旧知の新聞社社員と賭け麻雀をしていたとして、東京高検検事長を辞職した黒川弘務氏がさらに国会で問題になっている。

 賭け麻雀は賭博罪とされていたものが、「社会の実情を見たところ必ずしも高額とは言えない」(法務省刑事局)ということで、いわば無罪放免となったからだ。衆院法務委員会での法務省刑事局長の答弁によると、いわゆる「点ピン」つまり1000点100円のレートであれば、犯罪にあたらないということだ。これは画期的な公的な見解である。日本の賭博罪におけるグレーゾーンだった違法と適法の判断に、法務省お墨付きの「黒川基準」ができたことになる。

 この一件で、法務省は国家公務員法に基づく処分を下したが、それは通例犯罪行為などを犯したときの「懲戒処分」ではなく、将来のために反省を促す「訓告」にとどまった。黒川氏はすでにこの時点で辞職をしており、法務省においては「将来」はない。

 このために国民の疑念が集まっている一方、ともすれば罪悪感に苛まされながら賭け麻雀を楽しんできたファンの方々にはたいへんな朗報ともいえる。これまで逮捕者まで出していた賭け麻雀がいわば法務省の見解レートでは犯罪にまではあたらないということになったからだ。

 これをうけた一部の麻雀愛好の士が、「新基準の礎を築いてくれた黒川元検事長に敬意を表し」(主催者発表より)、今回の判断を下した検察庁前の路上に集まり、記念の麻雀大会を催した。

『祝レート麻雀解禁!検察庁前テンピン麻雀大会』と題された麻雀大会は、暖かな日差しに包まれた休日の5月30日に予定通り霞が関にある検察庁前で開催された。

「新基準の礎を築いてくれた黒川元検事長に敬意を表し」た検察庁前の大会は、この大会に賛同する一部のメディアの事前の報道などにより人が集まり混乱することを恐れた主催者の判断で、ひっそりと開催される予定だったが、さすがにそうはいかなかった。注目の大会であっただけに、黒川杯会場からほど近い警視庁や所轄の丸の内署をはじめとして近隣で勤務中であった警察官の方々がギャラリーとして多数集まったため、大会は混乱を極めた。

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト