昭和大学客員教授(感染症)の二木芳人さんは「最も危険なのは猫」と指摘する。
「感染しやすいとされる猫は最も人間に身近な動物です。念のためペットの猫はできるだけ外に出さず、ほかの動物や不特定多数の人間と接触させないことが必要です」
猫を放し飼いする家庭は特に注意した方がいい。米ボストン在住の内科医・大西睦子さん大西さんが続ける。
「最近の研究ではゴールデンハムスターやフェレットを実験的に感染させた結果、同じ種のほかの動物に感染を拡大させる可能性があるとされます。犬は感染する可能性が低いとされていますが、ほかの動物から2m以上離し、混雑した場所に行ったり、集まりは避けてください」
外出解禁とともに飼い犬をドッグランなどで思い切り遊ばせたいところだが、いまはがまんした方がよさそうだ。
「散歩後は、家に入る前にペットの体毛や手足をアルコールで消毒してほしい。飼い主がペットとふれあう際のマスク、手洗いなども忘れずに」(中島さん)
動物園はどうだろうか。東京農工大学農学部附属国際家畜感染症防疫研究教育センター教授の水谷哲也さんは、「いまは、ふれあいは慎重に」と呼びかける。
「動物との間の主な感染経路は体液、排泄物の接触を介しての感染です。動物園で檻越しに動物を見るぶんには、距離があるので問題ありません。ただし、ふれあい広場のように動物と直接接触できるコーナーの利用は避けてください」(水谷さん)
緊急事態宣言が解除されても、警戒を怠ってはいけないと水谷さんが続ける。
「人間同士でも依然ソーシャルディスタンスが必要といわれているので、ペットとも社会的距離を保った方がいい。大切なペットの命を守るためにも、一定の距離と適切なケアを心がけてください」
ペットを守れるのは飼い主しかいない。
※女性セブン2020年6月11日号