芸能

自称「日本一息のなが~い一発屋」 城みちるの現在地

1974年にレコ大新人賞を受賞

 第四次中東戦争が始まり石油ショックが始まり、トイレットペーパーや洗剤の買い占め騒動が起きた1973年、城みちるが『イルカにのった少年』でデビューした。1974年に日本レコード大賞新人賞を受賞、童顔と細身のスタイルで人気アイドルとなった日々とその後、現在の活動について、城が語った。

 * * *
 父から引き継いだ電器店を2005年に閉め、それ以降、地元の広島でタレント活動を続けています。ライブやイベントでは『イルカにのった少年』を必ず歌います。歌わないと「金返せ!」と言われますから(笑い)。自分のHPには「日本一 息のなが~い 一発屋」というコピーとともにイルカにのった自分のイラストを載せ、名刺にも印刷しています。イルカは僕のロゴマークで、若い女の子には「イルカのオジサン」と呼ばれています。

 高校1年生で『スター誕生!』(日本テレビ系)のチャンピオンになり、最初にこの曲のレッスンを受けたとき、「絶対売れる」と確信しました。歌い出しが瀬戸内海の島出身の僕のイメージにピッタリだと思いました。寝る間もないくらい忙しくなりましたが、それがアイドルの証だと思っていたので辛くはありませんでしたね。

 しかし2曲目以降はこの曲を超えることができずに苦戦し、父との約束もあって20歳で引退しました。広島に帰って数年間はどこに行っても『イルカ~』を歌うよう求められて抵抗がありましたよ。吹っ切れたのは、20代後半の頃、地元の青年会議所のイベントで昔の衣装を着て歌い、もの凄く盛り上がってからです。その後、全国の高齢者施設を回ってこの曲を歌うと喜んでもらえ、歌の力を痛感しました。

 私生活では最初の嫁とは離婚しましたが一人息子から孫が2人生まれ、再婚した嫁との間にも女の子がいます。還暦記念パーティのとき、前の嫁以外全員参加し、デビューが同期で、アイドル時代に恋人だった伊藤咲子ちゃんも来てくれました。サッコとはいい友達で、彼女のアルバムにゲスト出演してデュエットを歌ったこともあります。僕にとってこの曲は人生のすべてですね。

城みちるは昨年44年ぶりのオリジナルアルバムを発売

●じょう・みちる/1957年、広島県生まれ。1986~1989年『風雲! たけし城』で芸能界復帰。昨年秋に44年ぶりのオリジナルアルバム『LOVE THE LIFE』発売。現在『テレビ派』(広島テレビ)のコメンテーター。

【1973年の出来事】
石油ショック/ジーンズが大流行/「ごきぶりホイホイ」発売/『ノストラダムスの大予言』刊行/映画『仁義なき戦い』ヒット/「ちょっとだけよ、あんたも好きね」が流行語に

【1973年のヒットの曲】
『学生街の喫茶店』(ガロ)/『喝采』(ちあきなおみ)/『危険なふたり』(沢田研二)/『神田川』(かぐや姫)/『心の旅』(チューリップ)

※週刊ポスト2020年6月12・19日号

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン