児童のアカウントに万が一のことがないよう、管理のための研修も受けているという。
「オンライン環境がない家庭もあるので、課題はすべて紙で渡す必要があります。感染防止のため校庭に机を用意し、1人来るごとに教員が1冊ずつ教科書を並べて、課題と教員が手書きした解答を添えます。多くの小中学校で行っているようですが、教員が身につけるフェイスシールドも自分たちで手作りです」
一見非効率的にも思える手作業はすべて、児童や保護者が学校に滞在する時間を少しでも短くして、感染リスクを下げるためだ。そのため、1日の労働時間は平均して、コロナ前より3時間以上は延びているという。
「仕事量はこれまで以上に増えました。それに、子供たちにあまり会えないことが地味につらい。コロナ前は体力面で児童に元気を奪われていましたが(苦笑)、精神的な面では、児童から元気をもらっていることも事実です。いまは休み時間のたびに児童と走り回っていたときよりも疲れています。子供たちのいない学校は、なぜか時間の進みがすごく遅く感じるんです」
小学校教師は続ける。
「でも、いまいちばん大変なのは子供たちですから。休校中は友達にも会えないし、課題どころではなかったでしょう。学校が再開されたら、学習格差を埋めるための新しい教育方法を、教育界全体で考えないと」
登校再開の6月1日から、また新たな課題に立ち向かっていることだろう。
◆私たちが働かないとみんなが困る
エッセンシャルワーカーたちは、常に「誰かのために」と己を鼓舞し、全力を注ぐ。医療従事者や介護スタッフも、コロナ禍での院内感染や施設内感染を防ぐべく、必死の勤務を続けている。