ビジネス

値上がり一途のマンション管理費 区分所有のコスパは悪化へ

首都圏マンションの月額平均管理費は5年連続で上昇している(写真はイメージ)

首都圏マンションの月額平均管理費は5年連続で上昇している(写真はイメージ)

 コロナ不況の到来により、住宅ローンの返済に窮する人が続出しているが、特に分譲マンションにかかる経費で馬鹿にならないのが、管理費や修繕積立金だ。しかもその額は年々上昇している。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、高すぎるマンション管理費のカラクリに迫った。

 * * *
 筆者は東京23区と川崎市のほぼ全域、さいたま市の浦和区などで販売されている新築マンションの現地をすべて調査し、物件別の資産価値を分析する有料レポートを発行している。もちろん、取り上げるすべての物件のオフィシャルページもチェックするが、そういった活動をする中で、気づくことが多々ある。

 例えば、ここ2、3年の顕著な傾向として見られるのが、新たに販売されるマンションの管理費や修繕積立金がやたらと高くなっていることだ。

 そのことを客観的に示すデータもある。東京カンテイが5月7日に公表した首都圏の新築マンションにおける管理費、修繕積立金の推移によると、月額平均の管理費は2019年が1万9085円で5年連続上昇している。また、修繕積立金は2019年が7826円で、こちらも4年連続で上昇した。

 直近10年間の上昇率は、じつに管理費が18.4%、修繕積立金が22.1%にもなっている。もっとも、こういった費用は「戸あたり」ではなく平米単価で比較するのが本来であろうが、一応の目安にはなっていると思う。

 この間、消費者物価はほとんど上がっていない。むしろデフレ傾向にあった年もあるくらいだ。日本銀行の黒田東彦総裁は2013年4月の就任以来、「消費者物価2%上昇」を目標として異次元金融緩和を行ってきたが、この7年の間で一度も目標が達成されていない。

 であるのに、なぜマンションの管理費や修繕積立金は上昇するのか? その理由は人件費の上昇と人手不足、そして建築費の高騰である。

関連記事

トピックス

自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
暑くなる前に行くバイクでツーリングは爽快なのだが(写真提供/イメージマート)
《猛暑の影響》旧車會が「ナイツー」するように 住民から出る不満「夜、寝てるとブンブン聞こえてくる」「エンジンかけっぱなしで眠れない」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン