翻訳したのは、アラブ圏で最高峰のアズハル大学を卒業し、現在は通訳・翻訳家であるカイロ在住のモハメッド・ショクバ氏である。こう語った。
「エジプトの大学では父親の名前を入れるのが特徴で、卒業証書としては見たところ何も疑問点はない」
卒業証書と一緒に小池氏から提供されていた卒業証明書には、〈文学部は1952年7月15日に日本で生まれたミスターコイケユリコに1976年10月に文学部社会学科の学位を成績「良」で与えている〉と書かれている。
なぜか小池氏に「ミスター」と男性の敬称がつけられているが、ショクバ氏によると「証明書がそうした雛形のもとに書かれているからで、エジプトの大学の文書では女性なのに男性形で書かれるのはよくあること」という。
これで真贋論争に決着がつくか。
※週刊ポスト2020年6月26日号