国内

客足戻らず博多屋台が大打撃「開けるも地獄、閉めるも地獄」

緊急事態宣言後、閑散とした福岡・中洲名物の屋台街。今も客足は以前のようには戻ってないという(2020年4月10日、写真/時事通信社)

 福岡・博多グルメといえば屋台。ラーメンや天ぷらなど、博多名物を味わえる屋台が所狭しと立ち並び、観光客だけでなく地元民も連日肩を寄せ合い賑わう光景は、博多の夜の風物詩だ。しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で一時、全店が休業を余儀なくされ、屋台街は活気を失っている。

「緊急事態宣言を受けて、4月半ばから5月半ばまでは、103軒ある市内の出店数のうち営業している店は0軒でした。宣言解除後約6割ほどのお店が営業を再開しましたが、客足は昨年の同時期と比べて約2~3割、週末でも4~5割程度と聞いています」(福岡市経済観光文化局まつり振興課・以下同)

 特にダメージを受けているのは、中州や天神地区など、観光客の比率が高い中心部。店を出せなかった約1か月は、売り上げが完全にゼロになったうえ、市に支払う屋台の占用料(一般的に月額2万円ほど)は、4~6月の3か月分を先払いしている状況だ。

「福岡市では、屋台事業者への支援として、家賃相当(固定費)の8割を支援する制度を新設していますが、6月9日時点の申請者は6割程度です」

 ある屋台経営者は、今回のコロナによる打撃を「リーマン・ショックや震災よりも厳しい状況。店を開けるのも地獄、閉めるのも地獄」と話しているという。支援を受けても、当面の資金が足りないうえ、開店しても平常時のような客は見込めないからだ。屋台経営者らからは、「普段は観光客が来てくれるのが当たり前と思っていたが、こういう時に助けてくれるのは地元客。いかに常連さんが大切かを痛感している」といった声も聞かれたという。

 休業期間中は、宅配デリバリーやコールセンターなどのアルバイトで食いつなぐ屋台経営者もいたという。

 一方で、わずかながら光も見え始めた。4月中旬に、天神エリアの屋台経営者らが立ち上げたクラウドファンディングでは、開始後1週間で目標の500万円を達成し、最終的には1000万円超の支援金が集まった。これにより多くの経営者が励まされたという。また、8月1日からは観光も全面解除になり、国による旅行需要喚起事業『Go To Travel キャンペーン』も始まる予定だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン