◆「何を見たいか」で老眼鏡のタイプは変わってくる
平松先生は、「できるだけ早めに老眼鏡をつくりましょう」とすすめます。え、でもまだ40代になったばかりだし、1日じゅうずっと見えにくいわけではないし、そもそも早くから老眼鏡に慣れてしまったら、+4まで進むスピードも早まるのでは・・・・・・と思っていたら、その考えも誤解なのだとか。
「老眼鏡をした人ならわかると思うのですが、老眼鏡のレンズは、ゆがみがきつく、慣れないと頭がクラクラするんです。だから老眼レベルが軽いうちから使ったほうが、老眼鏡に慣れるのが比較的容易で、クラクラからくる事故なども防げるのです」
では、とりあえず雑貨屋などで売られている老眼鏡を買えばいいかというと、それもまた違うのだとか。
「老眼鏡をつくる際は、必ず眼科を受診し、処方を受けることが重要です。眼科では、ごく小さなリングが並ぶ『近見視力検査表』で検査し、老眼のレベルを判定します。また、医師に、老眼鏡をかけて何を見えるようにしたいのかを伝えます。例えば、本をスムーズに読みたい、パソコンを見るときに使いたい、譜面台の楽譜をしっかり見たい、などです。すると、老眼鏡のピントを合わせる距離がわかり、見たいものをしっかりと見ることのできる老眼鏡が手に入るよう処方してくれます。逆に、具体的に希望を伝えないと、30cmぐらいにピントを合わせることが多く、実際に使ってみたらたいして見えない、つくったけれど役に立たない、という結果に陥りがちなのです」(平松先生)
最近は、遠近タイプと中近タイプというように、2か所の距離にピントを合わせるタイプの老眼鏡が主流。遠近タイプは、遠くから近くまでひと通り見えるレンズで、運転する場合に適しています。
「遠くはメガネなしで見えるから、手もとだけ見えればいい、と考える人には、遠近タイプがおすすめです。このタイプは、いちいちメガネをかけたり外したりしなくてすむので、周りの人に老眼だと気づかれることもありません」(平松先生)
中近タイプは、比較的近い距離から手もとまでが見えるレンズ。手元の資料とパソコンのモニターを交互に見るような場合に適しているのだとか。
また、長年、コンタクトレンズを愛用してきた人にとっては、いったいいつまで装着していられるのか(このまま着け続けて問題はないのか)といった不安も多いはず。答えは、平松先生の最新著書『患者が絶えないカリスマ眼科医がやっている 失明しない習慣』(小学館)に掲載。医師が実践しているからこそ、説得力と安心に満ちた内容になっています。