2月26日の会見には大勢のマスコミが詰めかけた

2015年、激しい「父娘バトル」で連日マスコミの注目を集めた久美子氏

 振り返れば、大塚家具の父と娘の骨肉の争いは、連日、ワイドショーを賑わし、国民の好奇の目にさらされた。

 詳しい経緯は省くが、2015年3月の株主総会で父親に勝利し、「古い大塚家具ではダメだ」と声高に主張する久美子氏の改革は、結局、役員や従業員の支援を得られず頓挫。永年の宿痾(しゅくあ)だった赤字経営が一気に表面化した。

 父の勝久氏はすでに匠大塚というライバルの家具会社を立ち上げており、おいそれと大塚家具には戻れなかった。「久美子氏は勝久氏の手の内を読んで、一歩先を行った」(大塚父娘について詳しい関係者)と解説されている。

 そんなどん詰まりの窮状に陥った久美子氏に手を差し伸べたのが、ヤマダ電機の創業者で代表取締役会長兼取締役会議長の山田昇氏(77)だった。

「久美子氏は何度も山田氏に出資してくれと頼んでいたが、久美子氏がヤマダの子会社になる条件を呑まなかったため、なかなか話がまとまらなかったが、最後に折れた」(前出の関係者)

◆再建請負人はリフォーム事業の“切り込み隊長”

 ヤマダ電機が会長に送り込む三嶋恒夫氏は北陸が地盤の家電量販店「100満ボルト」を運営するサンキュー(福井市)の社長を務めていた。サンキューでリフォーム事業の切り込み隊長だったほか、サンキューを傘下に収めた家電量販店業界3位のエディオンでもリフォームを担当した。

 こうした住宅リフォーム事業の実績を買い、山田氏がスカウトし、2017年6月、執行役副社長にした。さらに、1年後の2018年6月、代表取締役社長兼代表執行役COO(最高執行責任者)に昇格し、異例の大抜擢と評された。

 創業者の山田氏は、「家電販売だけではジリ貧になる」との強い危機感を持っている。人口減少が続くなか、テレビなどの家電がどんどん売れる時代ではなくなった。インターネット通販のアマゾン・ドット・コムなど、強力なライバルも出現している。

 大量の仕入・大量販売を前提としたビジネスモデルを築いた山田氏は、その限界を強烈に意識している。「安いだけでは買わない」賢い消費者が主流になってきた。

 代わって山田氏が力を入れたのが住宅関連事業だ。2011年、注文住宅のエス・バイ・エル(現ヤマダ・エスバイエル)を買収した。

 2017年からは家電と住宅関連サービスの複合店「家電住まいる館」の出店を開始した。家電の売り場を縮小し、家具や住宅、リフォーム関連のスペースを拡大したのである。今では家電の売り場が店舗全体の半分しかない店もあるほどで、2020年3月末現在、「家電住まいる館」は109店にまで増えた。

 そんな「家電住まいる館」を担当したのが、ヤマダ入りしたばかりの三嶋氏だった。

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン