一方外枠を見ると、当然のことながら外枠が理由で人気になりながら裏切った馬がいる。8枠では3番人気以内に支持された11頭のうち5頭、7枠では5頭のうち3頭、6枠では7頭のうち4頭が馬券圏外に沈んでいる。枠順が人気の要因になっているようなら要注意だ。
二桁人気馬は1勝2着1回3着2回で、外枠に入ったからと言ってもそれがカンフル剤になっていないケースが多い。勝ったのは2007年の13番人気サンアディユ(7枠)だけ、二桁人気の8枠馬は3着以内に来たことがない。
人気薄の爆走にはきっと別の理由があるのだ。外枠に入ったことで、人気以上の結果を出しているのは6~9番人気馬まで。その馬の人気を支えている要因を冷静に読み取りたい。そこにはもちろん「騎手」というファクターもある。直線競馬になると西田、村田といった名前が取りざたされるが、直線競馬では他にも嶋田、藤田、津村といった名前が目に付く。
アイビスSDが開幕週に行われるようになったのは2006年で、まだまだサンプル数が少なく、データだけでひも解くのは危険。1枠だろうが3枠だろうが、裏付けがあれば結果を出すはずだ。
内枠に入ってしまったラブカンプーの走りに期待したい。藤田騎手が騎乗、直線競馬に実績があり、前走で重賞を勝っている牝馬と、6枠の2頭や7枠に入ったライオンボスとのオッズはどうなるか。「人気」というものの正体を探る上でも興味深い。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。