ライフ

ウィズコロナの日々「後遺症のようなもの」に悩まされる人も

7月15日、小池百合子・東京都知事は「『感染拡大警報』を発すべき状況」と都民への注意を呼びかけた(AFP=時事)

7月15日、小池百合子・東京都知事は「『感染拡大警報』を発すべき状況」と都民への注意を呼びかけた(AFP=時事)

 脳梗塞で倒れた人が回復したものの手足に麻痺があるなど、病気やケガが治ったあとに影響が残る症状のことを「後遺症」という。比喩的に、事件や天災などの出来事のあとに残された影響のことも後遺症と呼ぶが、新型コロナウイルスでは生理的な症状と社会的な影響の両方の後遺症を残す恐れがあると言われている。ライターの森鷹久氏が、まだ未確定な「後遺症」のようなものに悩まされる人たちが日常に戻れない様子についてレポートする。

 * * *
 西日本在住の会社員・田村裕一さん(仮名・40代)は、今年5月に新型コロナウイルスの感染が分かった。咳と微熱があったものの、感染経路もはっきりとしていたことから、病院に2週間ほど入院し、さらに自宅で2週間の経過観察を経て、医師からは「日常生活に戻っても構わない」とお墨付きをもらった。だが…。

「会社に行こうにも、上司も同僚も部下もいい顔をしませんよね。とりあえずリモートワークで、と言われるんですが、私の仕事、現場の施工管理なんですよ。自宅でやる事もないし、いや、現場が稼働してないもんだから、どちらにせよ…」(田村さん)

 緊急事態宣言の解除後、田村さんの会社でも徐々に業務が再開された。感染と入院、退院からすでにまる2ヶ月が経ち、そろそろと思っていた田村さんに追い討ちをかけたのは、微熱と頭痛である。

「夜になると、37度台の熱が出て、偏頭痛のような痛みを感じるようになりました。コロナ前にはこういったことはなく、後遺症かと医師にも問い合わせたのですが、よくわからない。上司に正直に話すと、やっぱり来てくれるなとなって…」(田村さん)

 二人の子供と、専業主婦の妻と四人暮らしの田村さん。すでに会社に行かなくなって3ヶ月が経った。収入面や会社を解雇されるのではないかという不安、さらに「まだ完治していないのではないか」という疑い、家族にもうつしていないかという懸念が重くのしかかっているという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン