ライフ

「死んだ人に会えるVR」実用化なら利用したい? 賛否両論

涙を誘った番組の1シーン(C)MBC

 ゲームなどの娯楽だけでなく、ビジネスや教育、医療など様々な分野に進出するVR(バーチャル・リアリティ=仮想現実)技術。ヘッドセットやゴーグルなどをつけ、CGで作られた3次元の仮想空間に没入し様々な擬似体験をすることができる。

 そして今、「死んだ人と会える」VRが登場した。今年2月に韓国大手テレビ局MBCで放映され大きな反響を呼んだドキュメンタリー『ミーティング・ユー』だ。番組は、韓国に住む母親が2016年に血液の病気で急死した7歳の娘とVR(バーチャル・リアリティ=仮想現実)で再会を果たすまでを追ったもの。

 生前に録音された娘自身の声と、同年代の子供の会話データからAIが再構築した音声が使われた。動き回る姿は、生前の写真や動画から仕草などを分析し、3D動画を作り出したという。

 今後、「死者に会えるVR」がもし実用化したら、誰に会い、何を聞きたいだろうか。2006年に脳溢血で倒れた実父を、1年半の在宅介護を経た後に見送った経済アナリストの森永卓郎氏はこう語る。

「父の介護は妻も私も最善を尽くしたので後悔はありませんが、今もしVRで会って話せるとしたら、聞いてみたいことがある。戦争中の話です。父は海軍予備学生として召集され、蛟龍という特殊潜航艇の乗組員として特攻訓練を重ねて終戦の2週間後には出撃予定でした。訓練中、海上に浮上してハッチを開けたら、広島に原爆が落とされているのを海上から眺めたといいます。生前はその頃の話を一切しなかったので、戦争の時代をどう生き、どう感じたか聞いてみたい」

 ただ、森永氏は「本当のことを言えば、情緒的な事柄以上に死後の手続きに関わる実用的な情報を聞きたかった」とも話す。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン