国際情報

トランプ陣営が虎視眈々と狙う「バイデンの不都合な真実」

世論調査ほど順調ではないバイデン氏(AFP=時事)

 アメリカ大統領選挙は、直近のデータでバイデン氏がリードを広げている。が、それでも絶対優勢と言えない理由は、バイデン氏の高齢・健康問題に加え、「民主党候補になれた経緯」にもあるという。ニューヨーク在住46年のジャーナリスト・佐藤則男氏が指摘する。

 * * *
 アメリカの大統領選挙で筆者が注目するのは激戦区の状況である。これらの激戦区は、本選で投票権を持つ代議員数も多く、選挙戦が激しくなるため、開票の際も決着が遅れることがよくある。それだけ大統領選挙にものを言う選挙区なのである。2000年、ブッシュ(子)とゴアが争った大統領選挙では、フロリダが最後まで接戦となり、投票翌日になっても勝負が決まらず、最後は最高裁が裁定するという大変な混乱に陥ったことは、日本の読者も記憶しておられるのではないだろうか。

 さて、今回のトランプ氏とバイデン氏の戦いはどうか。カギを握る6州の現状について、各種世論調査を分析して独自の「平均値」を発表しているReal Clear Politicsの最新リポートでは次のようになっている(メディアの世論調査は、リベラル系ではバイデン氏、保守系ではトランプ氏に有利な数字が出てしまうため、あまり信頼はできない。同リポートは、そうしたバイアスを排除した数値を独自に算出しているため、筆者はこれが一番信頼できるデータだと判断している)。

ウイスコンシン州:バイデン氏5.0ポイントリード
ミシガン州:バイデン氏7.8ポイントリード
ペンシルバニア州:バイデン氏6.0ポイントリード
ノースカロライナ:バイデン氏4.7ポイントリード
フロリダ:バイデン氏6.2ポイントリード
アリゾナ:バイデン氏3.7ポイントリード

 先週よりもバイデン氏が有利な状況になっている。筆者は46年間、アメリカで大統領選挙を見てきたが、通常の選挙なら、この時点でバイデン氏の楽勝が予想される。「バイデン氏の勝利は濃厚」とタイトルをつけてもいいところだが、今回の選挙はそうはいかない。その最大の理由はコロナ問題である。国民生活への影響や死者数を考えれば、第二次大戦より影響は大きいと言ってもいいかもしれない。これまでの経緯でトランプ氏の対処能力はほぼ明らかになっているが、バイデン氏のほうは全く未知数である。テレビ討論などで、同氏がどのような政策を打ち出し、トランプ氏がどう反論するか、それを見ないと選挙の行方を予測することは難しいと思う。

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン