芸能

下條アトム「緒形拳さんは、とにかくスペシャルな方でした」

下條アトムが大物俳優たちの思い出を語る

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、役者の家に生まれた下條アトムが、過去に共演した萩原健一さん、渥美清さん、緒形拳さんについて語った言葉を春日氏がお届けする。

 * * *
 下條アトムは『信子とおばあちゃん』(一九六九年)、『藍より青く』(七二年)というNHK朝の連続テレビ小説に出演したことをきっかけに、俳優としての仕事を増やしていった。

「その辺りから食えるようになって、とんとん拍子で三十ぐらいまではやらせてもらいました。

 ただ、そのせいで、なかなか売れなくて我慢することを知って…自分を押し出すだけが役者ではない──という世界でやってきた人が四十・五十になって売れた場合に比べると人間の深みがなかなか出ないんですよね。

 一つ受けたらば、『よし、よかった』とひと息ついたり。台本を三冊ぐらい掛け持ちしてないと落ち着かないとかいうこともありましたね。そういう時期のテレビドラマを駆け抜けました。

 そのおかげで他の仕事をしないで、生業として食えてきたというのはあります」

 七三年には萩原健一主演の時代劇『風の中のあいつ』(TBS)に出演、萩原扮する主人公の渡世人「黒駒の勝蔵」と共に旅する弟分を演じた。

「ショーケンはやんちゃなところがありましたから、現場は大変でした。よく前田吟ちゃんが間に入っていました。でも、ショーケンは作品に対するピュアな情熱があったから、やっていて楽しかった。何を言ってきても、愛嬌があるから許せちゃう。

 作品自体も楽しかったですね。何をやってもいい。監督も含めて『面白くやれ』という感じで規制がありませんでした。ショーケン自体もそうでしたが、既成のものを壊していきたいっていうエネルギーがありました。

 今の若い子はびっくりするくらい大人っぽい。ですから、生意気な人をときどき見ると、『あっ、こいついける』と思っちゃうんですよね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
大東さんが掃除をしていた王将本社ビル前の様子(写真/時事通信フォト
《「餃子の王将」社長射殺事件の初公判》無罪主張の田中幸雄被告は「大きなシノギもなかった」「陽気な性格」というエピソードも…「“決して”犯人ではありません」今後は黙秘貫くか
NEWSポストセブン
小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン