各局が視聴率確保と制作費削減という目的から、「ゴールデンのレギュラー番組を2~3時間の特番として放送すること」が当たり前のようになりました。視聴者にしてみれば、それらに特別感はなく、もはや特番とは言えません。ただテレビ局にしてみれば、新規特番の量産は質やリスクなどの面で難しいところがあり、だから深夜番組の特番を放送しているという側面もあるようです。
ちなみに、この傾向は深夜番組だけではなく、土曜・日曜の日中に放送されている番組にも見られるようになりつつあります。
たとえば今月10日、今年6月21日まで日曜昼に放送されていた『第7キングダム』(日本テレビ系)の特番「ゴールデン2時間SP」が放送されました。日曜昼の番組という放送時間帯もさることながら、「終了した番組のゴールデン特番を放送する」という形も異例。さらに言えば、当初から同番組は「早期に終了させること」「その後にゴールデン特番を放送すること」が決まっていたようです。
これはゴールデン特番の自由度が増しているとともに、「特番としての内容が担保でき、一定以上の視聴率が期待できるものであれば、どんな時間帯の番組にもチャンスがある」ということでしょう。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。