芸能

落語のリアルと配信のハイブリッド開催は今後定着するか?

落語の配信は定着するのか(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接してきた。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、リアルな落語会とインターネット配信のハイブリッド開催についてお届けする。

 * * *
 7月1日から上野鈴本演芸場と池袋演芸場が営業を再開し、ホールなどでの落語会も少しずつ戻ってきた。寄席が入場者制限を設けているのと同様、全席指定の落語会でも座席を空けて定員を大幅に減らした形での開催が当たり前になっている。

 当初からその形で販売されていればいいが、問題は事態が深刻化する前に通常どおり前売りしてあった会で、例えば僕がプロデュースする「渋谷道玄坂寄席」は6月15日の春風亭一之輔独演会が300席完売だったため中止せざるを得なかった。

 その6月15日、国立演芸場で柳亭こみち独演会「落語坐こみち堂IX」が開催された。毎回ほぼ完売となる人気公演だが、こちらは一旦「公演中止」としてすべて払い戻した後、改めて定員の3分の1以下に座席数を限定して再販売したのである。それを主催者の産経新聞社が告知したのは6月1日。たった2週間で「払い戻し/再販売」を遂行するのは大変な作業である。大英断だ。

 さらに6月6日、この会のインターネット生配信の視聴券が発売された。つまり、リアルな落語会とインターネット配信のハイブリッド開催ということである。

 これは素晴らしい。「払い戻しを受けてまた申し込む」という面倒を厭わずどうしても会場でこみちを観たい熱心なファンにも機会を与えつつ、インターネットでも気軽に視聴できる。配信視聴券は1000円で、アーカイブ対応も。前売りで3100円の会を居ながらにして1000円で観られるのだから魅力的だ。僕は早速イープラスを通じて配信視聴券を購入し、当日リアルタイムで観覧した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン